プロジェクト事業
Kyudo AI
「会」を自動検出し端末内で射形を採点する弓道コーチングアプリで、リーンローンチパッド名古屋2026最優秀賞を受賞
Kyudo AIは、スマートフォン1台で弓道の射形を評価するアプリです。スマホを立てて射るだけで、数秒しかない「会」(引き絞って静止する局面)を自動で検出し、その場で採点して直すべき点を伝えます。処理はすべて端末内で完結し、映像は外に出さないので、通信環境のない道場でも使えます。
研究から製品へ
最初の版は2年生のときのものです。研究に引き込んでくれた先生が弓道部の顧問でもあり、その先生を驚かせるため、そして部員が指導者を待たずに射形を確認できるようにするために作りました。手法は益崎 智成先生、牧山 隆洋先生と2025年9月の電気・電子・情報関係学会四国支部連合大会でWeb実装として発表し、優秀発表賞を受けました。同時に、講評文が外部の言語モデルAPI頼みで弓道を指導する知識に欠けるとの指摘も受けました。自分でモデルを作り始めたのはこのためです。
高校弓道の競技人口は約6万5千人と武道系の部活動で最多ですが、指導は週に数回、1人あたり数分にとどまり、数秒の「会」への助言は間に合いません。顧問の異動や部活動の地域移行で、指導者は学校から離れつつあります。
仕組み
端末上で姿勢推定を行い、骨格点の時系列から「会」を検出し、関節位置から射形を採点します。通信が必要で道場では使えなかったWeb版の試作と違い、端末内で完結し、撮影距離や解像度に依存しない採点に見直しました。実射データとインタビューは弓削商船高等専門学校弓道部の協力を得ています。助言に沿って練習した学生からは的中率が上がったとの声もありますが、対照実験ではなく利用者の感想です。
成果と現在
2026年8月、西村 勝瑛さんとスタートアップワールドカップ2026九州予選のユースピッチコンテスト(ペガサス・テック・ベンチャーズ)でファイナリストに選ばれました。同年9月にはTongaliのリーンローンチパッド名古屋2026で田 雨竜さん、井下 敬翔さんと最優秀賞を受賞し、2027年3月の全国決勝に進みます。プログラム中は弓道部への顧客インタビューとジョブ理論で、利用者が本当に求めていることを見直しました。
私はチームの代表です。製品はまだ販売しておらず、当面は実射データで採点を較正し、実証に協力してくれる学校や道場を探します。
受賞
共同 田 雨竜、井下 敬翔
基盤となる研究
リアルタイム姿勢推定による弓道フォーム評価手法の提案とWeb実装
ブラウザやスマートフォン上のリアルタイム姿勢推定で「会」を検出し、関節位置から弓道の射形を採点する手法(SJCIEE 2025、優秀発表賞)